金融危機をめぐる10のテーゼ
Japanese translation of the Uninomade book on crisis by www.ibunsha.co.jp
A・フマガッリ&S・メッザードラ 編
朝比奈 佳尉 長谷川 若枝 訳
金融危機をめぐる10のテーゼ
金融市場・社会闘争・政治的シナリオ
定価:3,360円 本体価格:3,200円
A5判 上製カバー装 272頁
ISBN978-4-7531-0284-6 C0033
経済学・現代思想・経済事情
大量かつ多様な金融商品が乱舞する〈クラウド・ソーシング〉の政治経済学
1970年代以来のアメリカの経済危機が〈年金基金の静かな革命〉といわれるような金融拡大政策によって克服されてきた結果、大量、かつ多様な金融商品が累積された。この〈クラウド・ソーシング〉は経済にかぎらず、生活世界全般に多大な影響を及ぼし、〈金融〉と〈生〉とを切り離し難い形に強いる。本書は、金融資本主義とも、認知資本主義とも言われる近年の資本主義の新たな永続的危機の構造を冷徹に解明しつつ、この永続的危機を乗り越えるための生き方を模索する『〈帝国〉』以来の画期的な政治経済学。
【目次】
■序文:S・メッザードラ
■金融資本主義の暴力:C・マラッツィ
■グローバル経済危機と経済・社会的〈ガバナンス〉:A・フマガッリ
■価値法則の危機と利潤のレント化:C・ヴェルチェッローネ
■生権力の形態としての金融化:S・ルカレッリ
■資本を越えてコモンへ:F・キッキ
■〈ニューエコノミー〉、ウェブ2.0における金融化と社会的生産:T・テッラノーヴァ
■認知資本主義と経済システムの金融化:B・ポールレ
■グローバル危機、グローバルなプロレタリア化、対抗パースペクティヴ:K・H・ロート
■もはや何もこれまでどおりには行かない:金融危機をめぐる10のテーゼ
■あとがき:A・ネグリ